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歴史

ウィスキー
錬金術師が生命を吹き込んだ「生命の水」

約700~800年の歴史を持つウイスキー。
そのはじまりは錬金術師たちがつくった「生命の水」に始まっている。

中世の錬金術師たちは醸造酒を蒸留する技術を発見したとき、その燃えるような味わいに 驚いてそれをアクア・ビテ(生命の水)と呼んだのが起源と言われています。
(*ウィスキーの語源であるゲール語のウシュクベーハ(Uisgebeatha)が、「命の水」の意味を持つことからもこの説が有力です。)

ただ今日愛されている琥珀色のウイスキーが生まれたのは、なんとここ200~300年ほどのことなのです。
ウィスキーの製造工程は後ほど話しますが、大まかな流れとしては

  • 原料準備
  • 発酵
  • 蒸溜
  • 熟成(貯蔵)

ですが、昔は蒸溜までの工程だったため色が無職透明だったのです。
(今のような香りも味も誕生してなかったんですね)

ではいつ?どこで?“熟成“という工程に出会ったのか?・・・
じつは『密造』だったのです。
*密造=適法でない仕方でこっそりとつくること。

その昔、アイルランドからお隣のスコットランドにも広まったウイスキーは、スコットランドを併合したイングランドに、「ウィスキーは貴重な財源だ!」として目をつけられてしまったんですね。

人気があるものに税金をかけるのが政府。
当然ウイスキーは高額な酒税をかけられ、正規に作り続けるためには課税前の10倍~20倍もの税金を払わなければならなくなりました。

自分が大切に作ったものに高額な課税をかけられ黙っているわけないですね!
当時の人々も「そんな馬鹿げた税金を払えるか!」となった皆さんはウィスキーを隠すぞ!となり、その時に使われたのが”樽”だったんですね。
蒸溜したウイスキーを入れた樽を深い山奥に隠しました。

ウィスキーの誕生は、
●国の役人から税金を逃れるためにウイスキーを隠し、密造するため樽に入れて隠したことから始まった。
●無色透明から琥珀色になったのは人里離れた山奥から運び出す時間がどうしてもかかりそれが現在の”熟成”に繋がった。

時の権力者から虐げられたことで、逆にウィスキーの製法は飛躍的な進歩を遂げたというわけです。

特徴

世界5大ウィスキー
各国の製法により、香味、風味、コクの違い。
あなたが好きなフレーバーは?

さてウィスキーには世界の5大ウイスキーと呼ばれるウィスキー大国が存在するのをみなさんはご存知ですか?
各ウィスキー大国においてそれぞれ味や香りも違います。では5大ウィスキー大国のスコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズ、それぞれの特徴を見ていきましょう。

アイリッシュウィスキー

穀物の豊かな香りと軽やかですっきりとした味わいが特長。
温かいコーヒーとあわせたカクテル「アイリッシュ・コーヒー」も有名です。

スコットランド

名実ともにウイスキーの代表格。自然豊かな土地には100以上の蒸溜所があり、個性豊かなウイスキーを育みます。
麦芽を乾燥させる際に使うピート(泥炭)の香りが強いものも多く、そのスモーキーなフレーバーがファンを魅了しています。

アメリカウィスキー

とうもろこしや大麦、小麦、ライ麦などが原料として使われます。
寒い地域にて作られるのが当たり前の中で、アメリカンウイスキーは寒暖差が非常に激しい地域で造られるため熟成が加速されます。さらにオーク樽の内側を焦がした新樽を使用しますので、ウイスキーがオーク材から色合いやフレーバーを強く取り込むため個性が濃くなります。強い香り、強い味わいがありウイスキーの中でも異質で癖のあるものが多いのが特徴です。

カナダウィスキー

5大ウイスキーの中でもライトな酒質が特長で、比較的クセのない軽快なフレーバーが魅力。
カクテルベースとしても活躍し、マイルドで飲みやすいため、初心者にもおすすめのウイスキーです。

日本

日本のウイスキーの特徴はスコッチ・ウイスキーに似たタイプといえます。
モルト・ウイスキーをベースに風味の設計がされているからで、香味はスコッチ・ウイスキーに比べ、煙臭(スモ―キーフレーバー)は少なく、独自の特徴を持ち、香味がおだやかで風味のバランスがよく、コクがあるため、「水割り」としても香味のバランスが失われません。

製法

樽の中の長い年月の熟成が
あの深い琥珀色を作り、独特の香りとコクを産む。

麦芽の酵母を利用して麦芽自身もしくは穀類を糖化させ、酵母によって発酵されたもろみを蒸溜し樽に入れて貯蔵するのが一般的な工程。

簡単に言ってしまうと、

①「穀物」を使うこと!

代表的なのは、
・モルト(大麦麦芽)
・[大麦・小麦]
・[トウモロコシ]
・[ライ麦]などなど。
*それぞれの原料によっても風味や味が変わってきます。

②「蒸溜酒」であること!

モルトを糖化した液体(麦汁)を発酵し、アルコール度数7~9%の発酵液(モロミ)を作り出します。蒸溜を数回行うことでアルコール度数を高めるのはビール工程と違う部分と言えます。

③「樽で熟成」されたものであること!

ウイスキーの製造において、約9割の時間を占めるのがこの工程です。樽のサイズや使われている木材、樽貯蔵庫内の環境など、様々な要素が味や香りに影響を与えます。樽熟成が原酒の個性を決める重要な要素ともいえます。

この3つの工程がウィスキーの製造には必須です。

先ほどの「ウィスキーの歴史」でも紹介したように密造から始まったウィスキーの”熟練”が重要なのが‘木製の樽においての貯蔵熟成’になります。

ビールや焼酎などの製法と比べてみると分かりやすいのですが、ウイスキーは樽の中で長い年月をかけて熟成するがゆえに、深い琥珀色をしており、この熟成によってウイスキーの香りがまろやかに、そして深いコクを持つようになるのです。

飲み方

ウィスキーの美味しい飲み方

飲む人が好きに飲めばいいということは当然です。

しかし最初飲むならウィスキーはストレートで飲んでみたいと言う方も多いと思います。
そこで今回は美味しいウィスキーの飲み方をご紹介します。

ウィスキーの極意!「香りを楽しむ、そして飲むではなく嘗める」

①香りを楽しみましょう。

ウイスキーをストレートで愉しむならまずは香りを存分に楽しんでみましょう。
ロックやソーダ割りでも香りを楽しめないことはないのですが、香り成分は温度が冷たくなると閉じてしまって感じにくくなります。割材で割ったりして薄まればなおさらです。香りを存分に楽しむのはストレートだからこそできる特権と言えます。

②飲むではなく嘗めましょう。

香りを楽しんだら、いよいよウイスキーを口に含んでいきます。
しかし、口にグイっと液体を放り込んで、ゴクリと飲んでしまってはウイスキーの味わいはわかりません。
ストレートのウイスキーを楽しむには"飲む"という意識を捨て、"嘗める"という感覚を覚えることが大切です。
まず口内にウイスキーを流し込んだら、アメを嘗める時のように舌の上で液体を転がします。ここで唾液と混ざり合うことによってウイスキーは徐々に薄っていきます。それと同時にウイスキーの持つ香味成分が口内に広がり、甘さや辛さ、渋さといった味わいを感じることができます。この味わいは良いウイスキーになればなるほど口内でどんどん変化していきます。

一度ハマると抜け出せない嗜好性の強さはお酒の中でもワインに匹敵する可能性を秘めたウイスキー。
10年、20年、30年という長い年月をかけたウイスキーは飲んだ人を感動さ人生を変えるポテンシャルを備えています。