歴史
ワインは石器時代から存在していた!?
ブドウ果実を原料に造られているワインの歴史の始まりは、紀元前8000年頃から存在していたとの一説もあります。
この時代では石器が、日本では縄文時代あたりなのでその頃よりワインが存在していたということになります。
*文献上、ワイン醸造が初めて登場したのは、紀元前5000年ごろのことです。
シュメール人が書き綴ったメソポタミア文明最古の文学作品である「ギルガメッシュ叙事詩」に、洪水対策の一環である船の建造に携わった労働者に特別にワインが振る舞われたと表記されております。
そして紀元前5000年ごろのものと思われる遺跡から、ワイン造りで必要な果汁を絞るための道具だと考えられる石臼も発見されさらに、ワインの原料となるブドウを育てるためのブドウ畑があった痕跡も残っています。
また、メソポタミアにほど近いエジプトでも、壁画などにワインを造るための道具が描かれており、紀元前4000年代にワインが造られていたと推測されております。
特徴
ワインが各国、各産地により味わいや香りが様々です。
では代表的な名産地ワインの特徴を見てきましょう。
「フランスボルドー」
ボルドーのワインは”ワインの女王“と呼ばれています。ボルドーと言えば赤ワイン。キメの細かさ、しっとりとした味が女性的と評されます。複数の葡萄を組み合わせてワインを生産します。
銘柄に”シャトー”という者がよく付きますが、これは葡萄を栽培、醸造する葡萄園という意味を持ちます。
「フランスブルゴーニュ」
ボルドー産との違いは単一の葡萄でワインを醸造するところです。赤は”ピノ・ノワール”、白は”シャルドネ”という品種がメインです。
また、ブルゴーニュは小規模の農園が多く、ワイン名も所有者ではなく、葡萄園の土地によって名付けられます。
「飲むことよりも語られることの多いワイン」とも言われている”ロマネ・コンティ”はブルゴーニュのワインとして有名です。
「フランスシャンパーニュ」
地域名を冠にした”シャンパン”です。
シャンパーニュ地方で収穫された葡萄だけを使用し、
瓶内で二次発酵を行い、15ヶ月以上瓶内で熟成された物のみを言います。
正式名称は”シャンパーニュ”と定められ、あの王道なシャンパンを発明したのは修道士”ドン・ペリニヨン”です。
味わい深く飲むもの全てを解放するワインとして不動の人気を維持しております。
「イタリア」
誰もが思う世界一のワインの生産国です。
全土比較的温暖な地中海性の気候となっており、ワインの生産に適した環境が整います。
地方によって様々な種類のワインがあり国民性と同じく、ワインも自由で個性的なものが多く生産されていましたが、ワインに関する法律が制定されてから無秩序なワインは一掃され、個性を残した高級なワインが生産されてきました。比較的果実味や甘みが強く、渋みはそこそこといったものが多いです。
「スペイン」
世界第三位のワイン生産国です。地中海性気候に属し、葡萄の栽培に適した環境です。スペインのイメージカラーは赤である通り、赤ワインが多く生産されています。
近年量よりも質を重視したスペインワインは目覚ましい成長を遂げ、スーパースパニッシュと呼ばれる高級品が登場し始めました。
長期熟成されたものなどが揃っているのでキメの細かい口当たりと共に樽の香りを感じられます。
「ドイツ」
ビールのイメージが強いドイツですが、質の高いワインも生産されています。
比較的冷涼な気候のため、フランスに接する南部地域が葡萄栽培の北限とされ、生産されるワインのほとんどは白ワインです。果実味溢れる甘口が主流ですが、近年辛口ワインも生産がされてきています。
「量より質」を追い求めていたのでどのワインもハズレが少ないです。
製法
ワインの製造法は「赤ワイン」「白ワイン」と各種別により異なってきます。
「赤ワイン」
①発酵・かもし
黒ブドウを除梗破砕し、ブドウの実を果皮や種子ごと発酵槽に入れます。酵母の働きによりブドウに含まれている糖分がアルコールへと変わる過程がアルコール発酵となるので、発酵槽には伝統的な木製の開放桶の他、樹脂でコーティングされた鋼鉄製など種類は様々あります。
*近年、衛生面に優れたステンレスタンクが好まれるようになってきています。
赤ワインを濃く色づかせるためには、ブドウの果皮から色素を十分に抽出する必要があり、発酵がすすむにつれ、果皮や種子などの固形物は二酸化炭素に押し上げられ、発酵槽の上面に浮き上がってくるので、発酵槽の下方から果汁の攪拌作業を行います。そしてアルコール発酵終了後、乳酸菌によってリンゴ酸を乳酸に変える乳酸発酵(マロラクティック発酵)を行います。
②圧搾
若いワインと果皮や種などの固形部分とを分離します。
固形部分の中にもワインが残っている場合があるので、圧搾機により搾り取り作業を行います。
③樽熟成
高級な赤ワインは樽の中で寝かされ、その期間は約6ヶ月から長くなると3年の熟成期間もあります。瓶詰め前にワインの濁りを除くため、卵白などを用いてワインの清澄化を行い、さらに濾過器にかけて微生物や不純物を完全に取り除き香り豊かな赤ワインが誕生します。
「白ワイン」
①発酵・かもし
白ワインは白ブドウで作られるだけではなく、黒ブドウから造ることが可能です。赤い色素は黒ブドウの果皮にあるので、果皮と果汁との接触を避ければ、無色の果汁が得られるからです。赤ワインが発酵後に圧搾を行うのに対し、白ワインは除梗破砕後、即圧搾機で搾汁します。
②発酵
次に果汁をアルコール発酵していくのですが、発酵槽はさまざまで、ブドウ本来の香りを生かし、新鮮でさっぱりとしたスタイルに仕上げるためにはステンレスタンクを、ヴァニラのフレーヴァーやタンニンをワインに与え、しったりとしたタイプにするためにはオークの小樽を用います。
また、温度管理の容易なステンレスタンクで発酵を行なった後、オークの小樽で熟成を施すこともあり、手法は様々です。
③樽熟成
赤ワイン同様、白ワインも乳酸発酵をさせて酸味を和らげる場合がありますが、もともと酸味の少ない温暖な地方のワインでは、乳酸発酵を行わないことも。そして、ワインに含まれている酒石酸は低温状態では結晶化するため、濾過してから瓶詰めしクリアでさっぱりな白ワインが誕生します。
飲み方
「温度が大事!?」
ワインを美味しく飲む時、様々なことがワインの美味しさを左右します。
その一つが温度です。
白ワインや赤ワイン、スパークリングもなど様々なワインの種類がありますが、購入したワインを楽しむためにはワインの適正温度にできる限り近づけることが大切です。
白ワインは冷やすことで果実味がぎゅうっと抑えられ味わいが鋭くなり、逆に高級な白ワインは冷やしすぎないほうが香りを楽しめるとも言われております。白ワインの適正は約5℃~7℃が適温といわれ、冷やすと泡が抜けにくくなる効果もあります。
赤ワインの適正は12℃~14℃と少し高めの温度の方がワインの個性は引き出すとも言われております。
スパークリングの場合は冷やすと気泡が細かくゆっくり立ち上がるようになります。
楽しむ秘訣
次にワインの飲み方をご紹介します。
グラスに注がれたワインをすぐに飲んでしまっては、そのワインの良さを十分に味わうことはできません。
ワインの良さを存分に楽しむには
“色を眺める”
“ワインを空気に当たらせる“
“口の中で転がす”
の3つを守ることが大切です。
そうすることで、ワインを美味しくいただくことができますよ。
■色を確認する
少し傾けながら、そのワインが持つ色合い、輝きや濃淡を眺めてみてください。同じ赤ワインや白ワインでも、様々な表情があることが分かるはずです。どのような味わいや個性を持っているワインかをイメージすると楽しめます。
■ワインを空気に当たらせる
ワインをグラスに注いだらワイングラスを反時計回りに2、3回静かに回していきます。グラスを回すことによってワインと空気が接する面積が大きくなり、香りがふわっと広がります。また、味わいにもよりふくらみが感じられます。
■口の中で転がす
ワインを一口、口に含んで味わいます。
口に含むワインの量として適量なのは舌をすべて包みこめるくらいです。
口に含んだワインはすぐに飲みこむのではなく、舌を使って口の中でワインを転がしてくださいね。そうすることで舌の表面だけでなく、舌の裏側や側面などを使ってワインを味わうことができます。
ワインを飲んだ後は、鼻から息を出すとワインの後味を楽しむことができます。ワインの持つコクや酸味、甘味、渋味など奥深い味わいを十分に楽しめるように、試してみて下さい。