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歴史

紀元前4000年以上前に誕生した
最古のアルコール飲料?!

紀元前4000年:大昔の人はすでに飲んでいた!?

なんとビールは紀元前4000年頃には既に飲まれていたと言われています。
その起源はメソポタミアで人類が農耕生活を始めた頃、収穫した麦を粉にしてパンを焼いたり、水に溶き、加熱して粥などにしていました。その際に残ったものへ自然界に存在する野生酵母が偶然入り込み、自然に発酵してしまったのがビールの起源と言われています。
紀元前3000年頃、メソポタミアのシュメール人が残した『モニュマン・ブルー』と呼ばれる粘土の板碑で、これに当時のビールの造り方が描かれています。

15世紀:ヨーロッパで広がりを見せる

中世時代、「ビールは液体のパン」「パンはキリストの肉」という考え方から、キリスト教の修道士の間でビール造りが盛んになりました。

当時、修道院は知識と経験の宝庫であり、メイドイン修道院のビールは味・香りともに高貴で品質が高かったため、製法が伝授され、比例して醸造量も増えていくことで一般の人にどんどん広まり、中世末期には民間でもビール造りが開始されました。

ウイルヘルム4世はドイツ・バイエルン地方の君主としていましたがビールの品質の粗悪さを憂い、地域特産品の保護を目的に「ビール純粋令」を施行しました。
その内容は「ビールは大麦の麦芽とホップ、酵母(まだ発見されてはいなかった)、そして水以外のものを用いて醸造してはならない」というもので、これによってその後のドイツビールの声価は高まりました。
*現在でも製造される下面発酵ビール法律が守られています。

19世紀:さまざまな発見でビールも進化

酵母の発見、そしてパスツール(フランス)の低温加熱殺菌法の発明(1865年)により長期保存が可能になり、またリンデ(ドイツ)の冷却機の発明(1875年)により下面発酵ビールが時期を問わず造れるようになり、市場が拡大しました。
他国のハンゼン(デンマーク)による酵母の純粋培養法の確立(1883年)により、優秀な酵母だけの分離が可能になり、ピュアですっきりしたビール造りが実現。下面発酵ビールは世界の主流になっていきました。

発泡酒への進化

発泡酒の誕生には、
・時代背景による一種の対処法
・参入障壁の高いビール製造
・高いビールの税率などが起因して
1989年以降でのビール低価格競争が主な要因として考えられていますが発泡酒は最近のイメージを持っていませんか?

実は昭和20年頃にはすでに製造されておりました。

当時、不景気の影響もありビールは高級なアルコールとして位置付けられておりました。そこで原価をさげるために麦芽を減らしビール風味の味付けをした発泡酒が開発されました。
しかしその後の高度経済成長の背景で喉越しが良いビールが人気を集め発泡酒は衰退していきます。

1898年:再び発泡酒人気が

ビールの価格競争がいよいよ激化します。
税率が高く低下価格競争のため販売が難しくなった背景により、ふたたび注目されたのが“発泡酒”です。

現在は私たちのアルコールへの思考がかわり味だけでなく健康志向や低カロリーが人気を集め、発泡酒の人気は下がり、今は第3のビールやノンアルコールが人気を集めています。

特徴

素材選び→製麦→仕込み→発酵→貯酒→ろ過と工程を経て製品として完成します。
基本的には製法工程は同じとなりますがビールと発泡酒にはいくつか違いがあります。例えば「麦芽の使用量」です。ビールは67%以上と決められていますので、それ以下の麦芽比率のものは「発泡酒」になります。
量が違えば味も変わってきます。

ビールは原料が限られていますので、「コク」が違うと思う方も多く、また麦芽の使用量が多いための苦味を感じることもあります。

一方発泡酒は麦芽の量が少ないので比較的「軽く」「あっさり」しています。
麦芽使用量の少ないものを選べば糖質やカロリーも少なく済みます。

製法

ビール、発泡酒の製法は基本的に同じです。主な違いは麦芽の量にあります。
ビールは麦芽67%以上に対して、発泡酒は67%未満となっています。

では製法を見ていきましょう。

「素材選び」

ビール発泡酒の主な原料は、水・大麦・ホップの3つで構成されております。その中で水は、ビールであれば約90%をしめています。
美しい自然の中で育まれた本当においしい水を使うことで、クリアな味わいを実現します。

「製麦」

大麦は、発芽する前に収穫します。
粒をより分け、芽を出させた所で乾燥して麦芽にします。
乾燥するときの温度や時間は種類によって様々ですが、中でも黒ビールは高い温度でじっくりと、淡色ビールは低温でさっとローストするのが一般的です。

「仕込み」

仕込みは、麦芽から麦汁を作る行程です。
麦芽を細かく砕いた後、50度前後のお湯にひたします。
そしてできるのが”もろみ”です。この段階では、液体がにごった状態ですがろ過してクリアな液体にします。
この時にできあがる液体が本物の“一番搾り”となります。

「発酵」

発酵は、麦汁から若ビールを作る行程です。

前行程で作られた麦汁を、5℃くらいに冷ました後に酵母を入れて発酵させます。
7~10日ほど経過すると、糖分がアルコールと炭酸ガスに分解します。

「貯酒」

熟成の行程では、0℃くらいに保たれたタンクの中で数十日寝かせていきます。
タンクの中では、発酵を終えても残っていた酵母が再び活性化し拡充、後発酵が進んでいきます。
後発酵が進むに連れて、浮遊物は底に沈んでいき見慣れた黄金色の液体になってきます。


「ろ過」

少しでも沈殿物があると、グラスについだ時に美しく見えません。
役目を終えて残った酵母やタンパク質のカスを、ろ過してきれいに除去します。
澄み切った色にするためだけでなく、クリアな飲み口にするために必要なのがこの行程となります。

飲み方

「泡とビールが7対3」

ビール発泡酒ともにこの黄金比率が大切です。
グラスに注ぐ前にササッと水をくぐらせておくことで香りを閉じ込め、美味しさをプラスにしていきます。
◉グラスを45度くらいに傾けて6割以上注いでから徐々に真っすぐに戻すと細かい泡立ちを実現します。

「違った味わいを楽しむ」

ワイングラスなど脚が高いもので飲むとまた違った味わいを感じることができます。
これは飲む時の顎(あご)の位置が関係しています。
缶やジョッキでは顎が上がり、顔はやや上を向きますが、ワイングラスで飲むと缶やジョッキの時に比べて顎は高くならず顔の向きは正面くらいで飲むことになります。顎が上がることでビールや発泡酒が舌全体で包まれるため、味覚を感じる部分に多く当たり、顎が上がらないワイングラスで飲むと舌の上だけを通り喉に落ちます。

「最適温度で最高の味へ」

ビールが一番おいしい温度は、夏なら4~6℃、冬なら6~8℃がおすすめです。
もっとも美味しいとされる温度は、4~6℃(夏)/6~8℃(冬)が最適と言われております。
冷蔵庫で4時間ほど冷やしていただければ飲み頃の温度になります。

冷やしすぎると泡立ちが悪くなり、原料の麦の成分が凝固して濁りが発生しやすくなるのでおいしさが半減してしまいますのでお気をつけください。